大人気!人の問題の扱い方講座お問合せ・お申込み
法律

「年休買取してもらって良いですか?」

管理人

こんにちは。特定社会保険労務士の森川友惠です。事務所にお問合せ頂くことは勿論、2020年3月までは行政で指導員勤務していたこともあり、様々な相談を過去受けてきました。そんな相談の中で、よくお問合せいただいた内容が「年休」に関するもの。2019年4月からは1年に10日以上年休を付与された従業員に対して、会社は年5日、利用させる義務が課せられたこともあり、「年休」周辺のご相談は爆発的に増えました。

本日のテーマは、「年休の買取」についてです。

「退職する従業員が使えなかった年休を買い取ってほしいといわれたけど、この場合、買取しないいけないの?」という問い合わせを頂くことがあります。

買取はおススメできません。

年休(年次有給休暇)は、労働基準法に規定があり、入社から6カ月経過し、全労働日の8割以上勤務した従業員対して付与される有給の休暇です。年休は発生から2年で消滅するので、「年休の買取」の希望を出す方は一定数いらっしゃいます。

皆様なら、どのように対処されるでしょうか?

弊所では、原則、年休の買取は法定されていませんし、かつ会社で特別な規定を設けられていない限り、買取はする必要はないとご案内しています。そもそも年休は、従業員の心身の疲労を回復させ、仕事と生活の調和の実現に活用するために設けられた特別な休暇です。ですので、「休む」こと、「休ませる」ことが大前提です。もちろん、時効で消滅する前の年休を買い取りをすることは許されませんし、消滅したので「買取」するという対応を当たり前にするのは、そもそもの目的からずれている行為だと考えます。

大切なのは、従業員が平等に取得ができるようにすること、また従業員が年休の申出をしやすい職場にするということなのです。そのために、どんな職場であるべきなのか?また、規定・ルールが必要なのか?を検討することから始める必要があります。

とは言っても…、使える環境ではなかった。

ただ、買取はおススメできませんが、

”利用できるような環境ではなかった”

”うちは年休がない…”(このような説明をされていないことを祈りますが…)と、突っぱねてきた…。だけど、退職の時に請求されて困っている

…といった事情があれば、なんらかの対処は必要なのかなーーと思うところもあります。

この辺りは、法定されているものではありませんし、有効期限がきれた年休を買取をすることは法定を上回る行為ですので、監督署やその他行政機関に相談したところで答えは出ません。特別な対応をしておくべきなのか…、また、将来同じ案件が出た場合どうするのか?また、同じ案件が出ないようにするにはどうすべきか?を徹底して考える必要があります。

既に、そんな案件がでてしまってらっしゃるようでしたら、弊所の無料相談をご利用いただいても結構ですし、お近くの社会保険労務士までご相談ください。

ABOUT ME
森川 友惠
森川 友惠
代表/特定社会保険労務士
大阪教育大学教育学部卒。 卒業後、大手スポーツクラブで勤務。退職後2015年に京都で社労士事務所開業。 現在は、スポーツクラブに関係が深い顧問先様に”お客様”も”従業員”も定着する店舗づくりをサポートしています。 趣味:読書(辻村深月・瀬尾まいこ・町田そのこ)と観劇(ミュージカル中心。文楽、歌舞伎から現代劇まで幅広く)とお笑い(中川家)ライブへ足を運ぶこと。好きな言葉は「能力を未来進行形でととらえる」と「常に明るく」
記事URLをコピーしました