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1社に定着することの大切さ

管理人

 おはようございます。森川です。先週の10年ぶりの大寒波。皆様、ご無事でしでしょうか?私は丁度、その日オンラインで研修を受講しており、終了したのが丁度18:00、事務所を片付けて外へ出たのは18:30過ぎだったでしょうか?…すっかりそこは、雪国でした。

 京都の最南端まで走るJR路線は、既に運休。帰宅する術をなくした私は、やむをえず市内に宿泊しました。

 さて、最近、私はとあるところで、「孤独死」された方の人数や「行旅死亡人」について触れる機会があり、そこで、はじめて「孤独死」されている方の中に、相当割合の40代、50代…いわゆる「現役世代」がいらっしゃることを知りました。その多くの方は「無職」で「無保険」状態で、どうすることもできずに亡くなっていく…。そんなお話しを聴いて、もし、自身を支える「職」があり、健康があれば、人生は大きく変わっていたのではないか?と思わずにいられませんでした。

1社に定着することを大切さ

 国税庁の法人番号検索サイトを見ると、日本には450万社の登録があります。そして、これから先、現役世代の割合が目減りしていきますから、職種にこだわらなければ何らかの仕事が見つかるでしょう。雇用契約については使用者側、従業員側の合意があれば成立しますし、解消も双方から可能です。ですから、「関係者の自由でしょ。」と言われてしまえばそれまでなのですが、本当にそれだけで良いのでしょうか?

 私は、社労士開業前、長く会社員をしておりました。全国転勤OK社員でしたので、地元関西だけでなく、九州(長崎と福岡)、関東(東京本社と神奈川県)での勤務をし、長く勤務したからこその喜びも大きかったですし、辛い思い出、お叱りを受けたこと、悲しい出来事、驚くような事件…様々なことを経験してきました。その経験は、今の私を作っていますし、その経験は当たり前なのですが、書籍やネットには書いていないことなのです。1社に定着し続けたから出来る「腕」を持つことができたのではないかと思うのです。

 「ジョブホッパー」と呼ばれる方が多数存在することも知っていますし、世の中には転職サイトがあふれています。

”気に入らなかったら、辞めて次探そう!”

”もっと高い価値で買ってくれる会社を探そう!”

”あの合わない上司の下で働き続ける必要ないや”

…という価値観を否定するつもりもありませんし、こころやカラダを壊してまで定着する必要もないと思います。ですが、本当に今、辞めるべきなのかは真剣に考える必要があるのではないでしょうか?

”法律に書いてますよね”で、権利を主張する従業員

 ”法律に書いていますよね”となんでもかんでも権利を主張する従業員がいて困っている…という相談を受けることが多くなりました。

 先日は、入社半年でまだ1人前にもなっていない従業員が、繁忙期にもかかわらず前日に3日間の年休を有休を申請してきた…これは、取らせなくてはいけないのか?というご相談を受けました。

 私は社労士ですので、当然ながら、入社半年+8割以上出勤であれば10日の年休が発生しますし、ひとたび発生すれば、事業主側には時季変更権しか行使する余地はない…ということは十分に承知しています。が、事業主が感じる「気持ち悪さ」は十分に理解できます。”法律に書いてあるから年休が取れるのではなく、みんなで頑張って稼いだ利益があるから、みんなで分け合って年休が取れるんだ”という説明をされることをお勧めしました。(その結果、1日だけの取得になったそうです。)

 別の日には、4人勤務のクリニックで、20代前半女性スタッフが毎月月初に2日~3日の生理休暇を取り続けていて、辞めさせたい…と言うご相談でした。生理休暇も確かに労働基準法に定められているので、申請してくれば取らせる必要があるものです。皆さまはどのような対応を取られるでしょうか?

 もちろん、このような理由では辞めさせることはできません。考えて頂きたいのは、「彼女はどうして毎月休み続けるようになったのか?」という点です。4人のスタッフで運営しているクリニックで自分一人が休めばその日がどのような体制になるかは想像につくはずです。ですが、彼女は休み続けている。それは、休みを申請しはじめた頃に、「体調が悪いは仕方ないことだから休んでも良い。でも、体調を整えることも”仕事”のひとつ」という事を教えていないクリニック側にも問題があるのでは?というお話しをしました。仮に、これをせずに、このクリニックを辞めて、別の仕事をはじめたとしても、彼女は、次の職場でも同じことを繰り返すでしょう。きっと。

”人と人との関係”で成立している職場

 人が定着する職場を作るには、労使双方が「人と人」で職場が出来ていることを、心の底から理解することが何よりも大切です。人である以上、そこにいる全員が一人として同じ人間はいないということを前提に、コミュニケーションを取り、関係性を強固にしていくことが何よりも重要でないでしょうか?

”これぐらい説明をしなくても…”

”こんな事は知っていて当然だから…”

”上司なんだから挨拶なんかしなくても…”

と言葉を省くのではなく、言葉を足すことからスタートされることをお勧めします。

 

 

ABOUT ME
森川 友惠
森川 友惠
代表/特定社会保険労務士
大阪教育大学教育学部卒。 卒業後、大手スポーツクラブで勤務。退職後2015年に京都で社労士事務所開業。 現在は、スポーツクラブに関係が深い顧問先様に”お客様”も”従業員”も定着する店舗づくりをサポートしています。 趣味:読書(辻村深月・瀬尾まいこ・町田そのこ)と観劇(ミュージカル中心。文楽、歌舞伎から現代劇まで幅広く)とお笑い(中川家)ライブへ足を運ぶこと。好きな言葉は「能力を未来進行形でととらえる」と「常に明るく」
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