退会率を下げるための3要件
こちらの記事は2018年1月にアメブロで私が掲載した記事です。長くお読みいただいた記事の1つですので、ご参考になればと思いこちらに転載します。
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おはようございます。
スポーツクラブ定着コーチ・社会保険労務士の森川友惠です。
スポーツクラブにとっての永遠のテーマ、それは『退会率を下げる』ということ。どこのクラブも頭をひねり、様々な工夫をされているところだと思います。
私自身は、様々なクラブに在籍していたので、入退会を複数回経験していますので、エンドユーザーの気持ちも分かります。そして、今までの施設運営の経験からも、この条件をクリアしないと退会が止まらない考えている3つの要件が、
①『居場所がなかったら、施設に来ない』
②『利用頻度が落ちたら退会を考える』
③『未利用となったら退会届を出す』
居場所があり、安定的な利用があれば、辞めないですね。人は、続きます。
よく、私も研修で、運動継続のための3要素の話で、安全・効果・楽しさ…ということを繰り返ししますし、間違いではないと思います。でも、安全はともかく、“効果”・“楽しさ”って、施設に来て頂かないと感じて頂けない訳です。
1つめの『居場所』で思い出したのが、今、実際にお手伝いしている施設のお客様のことです。このお客様、入会されたのが昨年の11月なのですが、本当にまじめに、一生懸命、スタッフの声かけにもちゃんと耳を傾けて、様々なスタジオプログラムに参加されていたのです。私は、バーンアウトを心配して、無理はしないように…とお声かけしていたのですが、1カ月たっても頻度は落ちず、休館日以外は、トレーニングに来られていました。すると、気づいた時には、スタッフの力を借りることなく、すっかり、常連のお客様と仲良くなってらっしゃって、楽しそうにプログラム談義に花を咲かせてらっしゃるのです。ご自身で、『居場所』を作られた、あまりないパターンです。
新規入会者の方には、この『居場所』をいかに作るかが対応のポイントです。ご夫婦で一緒、お友達と一緒にトレーニングの場合は、あまりこの点を心配することはないのですが、お1人で入会された場合は特に注意が必要です。
いわゆる「帰属意識」をどう作るか…なのですが、スタジオプログラムに興味をお持ちの場合は、スタジオプログラムに参加頂くのもひとつですし、レジスタンストレーニングにしか興味がない場合は、しっかりとしたフォームが取れるように集中的に指導されるのが良いと思います。やはり、使い方やフォームに不安があると、お客様は途端に自信を無くされて、利用されなくなってしまいますからね。これが出来れば、初期対応としては十分です。
2つめの利用頻度ですが、これは、1日24時間の中で、クラブでトレーニングが他の予定よりも“楽しい”ものにできるかがポイントになります。
やっと、出てきました…“楽しさ”。
24時間のうち、仕事を持たれている方だと、8時間仕事をして2時間が通勤、そして、睡眠が6時間。食事や入浴生活時間を3時間としたら残りはたった5時間です。この5時間を、ドラマ観たり、他の趣味、飲み会なんかと戦って、“楽しさ”で1位もしくは少なくとも2位にならなくては、トレーニングには来て頂けないのです。
これにこだわった、接客や指導ができていますか?という事なのです。
お客様にとっての24時間のうちの貴重な1時間、2時間を預かっているということを共通認識として、スタッフ全員が行動出来ていますか?という事なのです。
例えば、スタジオプログラムやオリエンテーションであれば、時間通りにはじまって、時間通りに終了する。そして、“笑った~”“あ~面白かった”と言っていただける。“カラダが確実に変わってきた”と実感させることが出来ていますか?で、“今日もご利用ありがとうございます!”と言えていますか?
これは、私自身の経験ですが、とあるお店で、アクアビクスを担当していた時、スクールでもなんでもないクラスだったのですが、クラス終わりに、“来週もお待ちしております!勝手に休まないように!お休みされる場合は電話連絡すること!”とアナウンスしていたら、本当に、お客様から毎週クラス前に、電話がかかってくるようになったのです。せっかくのクラスに1名でも多く参加してほしいという思いから出たアナウンスだったのですが、これに応えてくださるお客様に、本当に感謝しました。
そんなこだわりを、思うだけでなく、“見せる”ことができえれば、必ず、お客様に伝わり、頻度は落ちないはずです。
ドラマにも勝って、飲み会にも勝てるあなたの施設だから味わえる“楽しさ”を作りませんか?